日本人に最も身近な植物療法
植物療法とは、植物そのもの、あるいは植物から抽出された植物化学成分(フィトケミカル)を用いて、全人的に病気の予防や治療に役立てる療法のことです。フィトセラピー(phytotherapy)と呼ばれています。
植物の持つ化学成分は、私たちの身体や心にさまざまな効果をもたらすことが知られています。植物療法は、これらの成分を活用して身体の自然な回復力や免疫機能をサポートし、病気や不調の原因に対処します。
植物療法は、太古から世界各地の様々な文化や民族において利用され、アロマテラピーやアーユルヴェーダ医学、中医学など世界各地の伝統医療と深く結びついています。
日本におけるお茶は、飲料となる以前、薬・解毒剤として用いられてきました。
江戸時代以降に飲用としてのお茶が普及し、腐りやすい生魚等を好む日本食にとって欠かせないものとなりました。
わたしたちが寿司を食べたあとに飲む「上がり」には、食中毒を防ぐ効果があります。
緑茶に含まれる茶カテキンには優れた抗菌作用があるためです。
寿司と一緒に飲む緑茶は、ガリや酢飯と相まって
日本人が長い間実践してきたもっとも身近な植物療法・フィトテラピーだと
明治薬科大学の石井先生は教えてくださいました。
執筆:NACHARAL代表 林夏子
監修:明治薬科大学 石井文由教授