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Articolo: 11月は、茶の湯のお正月。炉開きに学ぶ冬支度

11月は、茶の湯のお正月。炉開きに学ぶ冬支度

11月に入り、朝夕の空気に冷たさを感じる季節になりました。

茶の湯では、この頃に「炉開き(ろびらき)」を迎えます。年明けを待たずに「お正月」と呼ばれるこの節目には、お茶を味わう文化と、季節に応じて場を整える知恵が重なっています。

炉開きとは、湯を沸かす設えを替えること

茶の湯では、季節によって湯を沸かす道具が替わります。

おおむね5月から10月には、畳の上に置く「風炉(ふろ)」を使います。11月から翌年4月頃には、床下に備え付けた囲炉裏のような「炉(ろ)」に釜をかけます。その炉を使い始める節目が、炉開きです。湯を沸かす場所が替わると、茶室で目にする火や釜の景色も変わります。同じお茶の時間にも、冬を迎える表情が生まれるのです。

なぜ「茶の湯のお正月」なのでしょう

炉開きの頃は、その年に摘まれた茶を使い始める「口切(くちきり)」の時季でもあります。

口切とは、茶壺の封を切ること。春に摘んだ茶葉を茶壺に納めて寝かせ、秋から冬へ向かう頃に使い始める習慣があります。炉を開く節目と、新しい茶を迎える喜びが重なり、この頃は「茶の湯の正月」と呼ばれています。[2]

春の摘みたてのお茶とは、また違う季節の楽しみ方。茶の湯には、時間を置いてから迎える「新しさ」もあるのですね。

暦とともに、目の前の寒暖にも目を向ける

季節に応じて道具を替える習慣には、興味深い史料も残っています。

表千家不審菴が紹介する、千宗旦から江岑宗左へ宛てた1646年の手紙には、暑かったため炉から風炉に替え、その後また炉に戻したことが記されています。利休も、たびたび同じようにしていたと伝えています。

現在の稽古や茶事の決まりを、そのまま変更するための話ではありません。ただ、当時の茶人が、実際の暑さや寒さを受け止めながら設えを考えていたことがうかがえます。

日常にも、小さな冬支度を

ここからは、茶の湯の文化をもとにしたNACHARALからの暮らしの提案です。

家で炉を用意する必要はありません。いつものお茶の時間に、寒い季節を心地よく過ごすための工夫をひとつ加えてみませんか。

お茶をいれる前に、器を温めておく。窓辺の席にひざ掛けを用意する。誰かを迎える日は、その人が座る場所の冷え方を確かめてみる。

「今日は、どのように過ごすと心地よいだろう」と考えることから、自分や相手のための冬支度が始まります。

静岡茶をいれるひとときにも、器の温かさや立ち上る湯気を、少しゆっくり味わってみてください。

まとめ

炉開きは、風炉から炉へと設えを替え、茶の湯の冬を迎える節目です。口切の時季とも重なることから、「茶の湯の正月」と呼ばれてきました。季節が変わるとき、暮らしの整え方も少し変えてみる。11月のお茶時間を、そんな小さな冬支度のきっかけにしてみませんか。

 

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